『発達障害を改善するメカニズムがわかった!』試し読み

エピローグ 子どもたちの未来を支えたい

大人たちが子どもの未来を滅亡に向かわせている

なぜ、脳の機能障害をもつ子どもが増え続けているのか。それは、地球環境と社会環境の悪化です。

今は、いちばん敏感な子どもの脳という臓器に悪影響が出ていますが、このまま放置すれば、必ず、もっと強い悪影響が子どもたちの他の臓器にも表われてきます。この流れに終わりはありません。拡大し続けます。

信じられないでしょうが、日本に生まれ育つ子どもたちの生活環境は、先進国の中でも驚くほど悪化しています。絶滅危惧種は人間であり、とくに日本人なのです。

石油系の食品添加物の許認可数が、日本では500前後あります。アメリカですら130程度です。ドイツは64、フランスは32、イギリスは22です。電磁波の許容水準も日本は高く、ヨーロッパの50倍といわれています。企業は、このような基準に合わせて、国内向けと国外向けのダブルスタンダードで生産しているのです。

子どもの生活環境でいえば、日本は先進国ではないのです。日本の赤ちゃんは生まれる前から、大変な目に遭っています。妊婦の羊水が化学物質で汚れているからです。胎児のへその緒からは、恐ろしい重金属が例外なく検出されています。低体重児も極小未熟児も増えています。

生まれてからも大変です。アトピー症状やアレルギー症状をもつ子どもが増え続けています。乳幼児虐待がドンドン増えています。学校のいじめも減りません。子どもの貧困も拡大しています。自殺する子どもが毎年大勢います。

それなのに、学校教育は数百年前から基本的に何も変わっていません。スパルタ教育に代表される非科学的で非合理的な旧態依然のストレス教育のままです。評価されるのはストレスに打ち勝った子どもだけです。ですから、学校は楽しくありませんし、邪悪な大人たちの仕掛けた罠にはまってテレビやゲームに逃げる子どもも増え続けています。

私は、警告します。すぐに手を打たなければ間に合いません。手遅れになります。人知を総結集して何とかしなければ、子どもの未来は大変なことになります。地球が氷河期を迎えて人類が滅亡するかもしれないというのではなく、大人たちが子どもの未来を滅亡に向かわせているのです。しかも恐ろしいことに、私たちにその自覚がありません。

私は、科学的で、栄養学的で、効果的な家庭教育を開発し普及することによって、子どもたちの未来を支えたいと考えてEE教育メソッドを構築し、30年以上実践してきました。そして、本書の共著者で世界的な脳神経外科医である篠浦伸禎医学博士と出会うことによって、これまでの実践が間違っていなかったことを改めて確信できました。たいへん嬉しく思い、ぜひ死ぬまでこの道を究めたいと考えています。

この本を読んでくださった読者の皆様にも、心から感謝しています。 (鈴木昭平) 人類にとって大きな福音になる

この本を書き終えて思うことは、世界中で急速に増えている発達障害は、今の大人たちに責任があるということです。発達障害の原因が、子どもの脳の扁桃体・報酬系の過剰な活性化にあると本編で述べましたが、その原因であるストレスを与えているのは、やはり扁桃体・報酬系が過剰に活性化している大人たちなのです。いい生活をしたいと長時間仕事をし、子どもに対して愛情をもち十分な時間をかけて向き合うことができず、子どもの成長に必要な食や環境を破壊して来たのです。

弱い立場にある子どもを守れるのは、周囲にいる大人しかいません。その普遍的な真理にいち早く気づき、教育や医療の専門家たちが遺伝だから治らないと言い続けている発達障害児の改善に、現場で敢然と立ち向かい、成果を上げてきた鈴木昭平先生とその仲間の方々に私は心の底から敬意を払うと同時に、微力ながら応援したいと思い、この本の共著を引き受けました。

私は、脳の機能がいちばんよくわかる「覚醒下手術」を、おそらく日本ではいちばん手がけてきた脳外科医です。そんな立場から鈴木先生のお力になるには、鈴木先生が行なってきた現場での実践について、脳機能から見た理論的背景を示すことであると思い、この本にはかなり専門的なことを書かせていただきました。

私も左脳を主体で使っている人間ですからわかるのですが、左脳主体の人は、理屈がわからないと行動に移さないのです。とくにお父さんは左脳主体の人が多いのですが、理屈がはっきりしないと反対することもあります。そのため残念なことに、鈴木先生の指導を受ければ改善するはずの発達障害児の将来を奪うことにつながってしまうことを、私はたいへん危惧しています。

私は、鈴木先生の本を何冊か拝読し、現場を見させていただきました。そのうえで、私のもつ脳科学の知識を駆使して、なぜその指導法が成果を上げているのかを考え、左脳主体の人でも納得できる理論をこの本にまとめました。

この理論に関しては確信がありますが、その大きな理由が、すべての生活習慣病、たとえば認知症や癌も同じ図式、つまりストレスで扁桃体・報酬系が暴走し、視床下部が弱っていることで起こっているからです。発達障害も、生活習慣からきている以上は例外ではありません。

じつは私も、ある精神科医からアスペルガーではないかと言われたことがあります。たしかに、それなりに生きづらい人生を送ってきましたが、今多少なりとも人様の役に立てるようになったのは、周囲の大人の温かい支えがあったからです。そのような温かい輪をひろげようとなさっている鈴木先生とエジソン・アインシュタインスクール協会の活動を、できるだけ早く、日本だけではなく世界中に広げる。そのことが、人類にとって大きな福音になると私は信じてやみません。 (篠浦伸禎)

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