食事を変えたら、発達障がい児のパニックが消えた

特別対談

工夫してミネラル、レシチンを豊富にする

国光:こうした状態を改善するために、無理のないやり方を工夫しました。最終目的は、食卓全体を健全にすることであり、ミネラル、レシチンを豊富にしていくことです。そのためにステップを2つ踏むことにしました。
  実際、障がい児を抱えている親御さんは忙しいですし、本格的に取り組んでいただくのはむずかしい。加工食品がこれだけ幅をきかせている背景にはそれなりの現代社会の家庭の事情があるわけです。
  問題を抱えているお子さんの中にはどうしてもマクドナルドとか味の濃いものばっかり食べて、お母さんの手作りのものを食べられないといった現実があります。子どもの味覚をどうしたら自然な形で良くしていき、最終的に食卓の健全化に持って行けるかと考え、試行錯誤しました。

第1ステップはかける、混ぜるで「ちょっと加え」

国光:そこで第1ステップとして、今の食事に、煮干しやあご(飛び魚)、昆布の粉末をかける、混ぜることを「ちょっと加える」形でやっていただきます。
  そこから第2ステップで、「主食を変えましょう」「お味噌汁のダシにこういうものを使ってみましょう」というやり方をします。小魚や海藻、豆類、種子類などミネラル豊富な食材を使って、健全な食卓にする、という無理なく、負担の少ない方法に行きつきました。

鈴木:今ご自身がわかる範囲で、何人ぐらいの例がありますか?

81名が改善したデータを雑誌に発表

国光:月刊誌に文字としてきちんとデータを発表したのが、お子さんが41名、大人が40名です。ほとんどが発達障がいのお子さん、睡眠障がい、低体温、ダウン症…。文字にしていない事例を数えれば、たぶん100人は超えていると思います。

鈴木:100名以上の皆さんが実際、食事を変えた感触はどうでしたか?

国光:「やっぱり成果が出るのが早いな」という感じですね。ちゃんとやった方は早いです。ふつうの食事療法の場合、結果が出るのに半年かかるといわれます。それくらいかけると、ほんとに確かな改善があるんですが、親御さんはモチベーション的に半年はなかなかもたないんです。「こうちゃん」の場合は1週間の中で、「パニックの頻度が減った」など目に見える変化があったので続いたのです。