ミネラルの必要性食べ物と発達障がいの関係性について

ミネラルの必要性

人間の身体は、60種類以上の元素で成り立っていて、そのうち酸素、炭素、水素、窒素の4つを「主要元素」と言い、全体の96%を占めています。そして、残りの4%を占めているのがカルシウム、リン、ナトリウム、鉄、亜鉛、銅などのミネラルなのですが、このわずかな4%のミネラルがバランスよく存在していないと、健康を維持することができないのです。また、私たちの身体に必要な栄養素は、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの5つで、ミネラルは健康維持に欠かせない五大栄養素の一つなのです。

例えば、カルシウムやマグネシウム、リンは骨や歯を構成する主成分なので、これらが不足すると骨が弱くなります。鉄は血液中の酸素を運びます。カルシウムやナトリウム、カリウム、マグネシウムが不足すると痙攣や神経障がいを起こすようになります。

しかし、戦後、大量生産重視の農法に切り替わって以来、野菜や果物などの食品に含まれるミネラルの種類も量も激減しています。野菜では、人参に含まれる鉄分は10分の1に。昔と同じミネラルを補おうとすると、10倍以上の人参を食べてようやく昔と同じミネラルを摂取することができる、ということなのです。

また、農薬や化学肥料の普及によって、ミネラルの量だけではなくミネラルの種類も激減しています。私たちは、生体内でミネラルを作り出すことができません。そのため、私たちはずっとミネラル失調状態が続いていると言えるのです。

また、水煮食品やサラダ油に代表される精製食品や加工食品、リン酸塩などの食品添加物などの化学物質の増加がミネラル不足に拍車をかけています。簡単で便利な惣菜や無菌パックに入っている惣菜は加工の手間を省くために水煮食品を使っている事が多いうえに、精製された砂糖や塩などを使って味付けされています。子どもたちの大好きなハム・ソーセージ類の加工食品は、肉の柔らかさを保つためにリン酸塩が使われています。リン酸塩は、かまぼこやちくわなどの魚肉の練り製品にも多く使われている事を知っていますか?

チーズに含まれている乳化剤はリン酸塩そのものです。リン酸塩は、私たちの身体にあるミネラルと結合して、ミネラルを体外に出してしまうのです。もともと摂取量が少ないミネラルが、リン酸塩によって更に少なくなってしまうのです。

このように私たちの食生活は、ミネラル失調状態ですから、なるべく加工食品を減らして、ミネラル不足を起こさないような食生活にする必要があるのです。

身体に必要なミネラルですが、カルシウムだけ、マグネシウムだけ、鉄だけといったような単一に偏って摂取すると逆に弊害を起こします。例えば、カルシウムを過剰摂取すると、鉄やマグネシウム、亜鉛の吸収が阻害されます。ナトリウムの過剰摂取は、高血圧や動脈硬化の原因になりますし、カリウムの吸収が阻害されるということが起こります。ミネラルは、多種類の調和のとれたミネラルの相関関係によって初めて効果を発揮するのです。ミネラル分のたった一つが欠けても、そこから水がこぼれ出すように、いつまでたっても桶は満タン(健康)にならないのです。

ミネラルは、野菜、米、豆、海藻、肉・魚介、ナッツ等、色々なものに含まれていますから、色々な食材を食べましょう。そして、偏った食生活でミネラル不足にならないよう工夫していきましょう。

会報誌『エジソン・アインシュタインスクール通信』27号に掲載

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