食物繊維の働き食べ物と発達障がいの関係性について

ヒトの消化酵素で消化されない成分

今回は、第六の栄養素といわれる食物繊維についてです。食物繊維は消化されずに、小腸を通って大腸まで達する食品成分です。便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっています。
腸の中には、100種類以上、100兆個も腸内細菌(腸内フローラともいいます)が棲んでいますが、食物繊維を含んだ食材を摂ることで腸内細菌の数を増やすことができます。
食物繊維というと、イモ類や、野菜、豆類を想像します。「野菜のスジ」のように思ってしまいますが、栄養学の定義では「ヒトの消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」とされています。スジの多い野菜でも、消化酵素で分解される部分は、それは食物繊維ではありません。たんぱく質・脂質・炭水化物などは、消化管の中で消化液の中の酵素によって分解(消化)され、小腸から体の中に吸収されていきますが、食物繊維はこの消化酵素の作用を受けずに小腸を通過して、大腸まで達する成分です。
食物繊維は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。

不溶性食物繊維

イモ、野菜、豆類などの野菜に多く含まれる他、エビやカニの殻にも含まれます。働きとしては、腸の蠕動(ぜんどう)運動の促進、腸内環境の整備、有害物質の排泄があります。また、役割として食事の満腹感(満足感)の向上もあるでしょう。

水溶性食物繊維

果物のペクチンや、こんにゃくのマンナン、海藻のぬるぬる成分などです。消化速度の抑制、血糖値の急上昇の防止、コレステロールの吸収抑制、血圧の低下といった働きがあります。

化学的に合成された水溶性食物繊維

食物繊維には、化学的に作られたものがあります。代表的なものはポリデキストロースという水溶性の食物繊維です。加工食品や、飲料などに広く利用されています。食品由来の水溶性食物繊維と同様の生理作用があるとされていますが、分子量が小さいため、天然の食物繊維と比較すると、その作用は非常に弱いと考えられています。
健康食品や特保食品として使用されていることもあるようですが、食物繊維の作用を考えると、化学的に合成されたものではなく、天然のものから摂取する方が良いといえるでしょう。

腸内の善玉菌を増やすために

まず、一つは納豆や漬物、味噌、黒酢などビフィズス菌や乳酸菌を含む食品(プロバイオティクス)を直接摂取することです。市販の漬物は多くの添加物が入っているので、注意して購入しましょう。
そして、二つ目は微生物の餌となる食物繊維やオリゴ糖(プレバイオティクス)を摂取することです。オリゴ糖は、大豆・たまねぎ・ごぼう・ねぎ・にんにく・アスパラガス・バナナなどの食品にも多く含まれていますから、これらの食材を積極的に食事にとりいれてみましょう。
オリゴ糖は栄養補助食品として販売されているものがあります。砂糖を原料に酵素を作用させて作られるフラクトオリゴ糖、大豆から天然成分を抽出・分離させた大豆オリゴ糖、乳糖にβ-ガラクトシダーゼを作用させたガラクトオリゴ糖、甜菜大根(ビート大根)から抽出したラフィノースなどが代表的です。(当協会では、フラクトオリゴ糖を推奨しています。)
腸内細菌が健康的な好ましい状態であるかどうかを知るもっとも簡単な方法は、便を観察することで、色は黄色から黄色がかった褐色で、においがあっても臭くなく、柔らかいバナナ状が理想です。黒っぽい色で悪臭がある便は、腸内細菌のバランスが悪くなっている状態です。自分や子どもの腸内細菌の状態をよく知り食物繊維を積極的に摂取し、健康に気を付けましょう。

会報誌『エジソン・アインシュタインスクール通信』32号に掲載

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